klora’s blog

バレー、映画、ドラマなど好きなことと、日々の考えの記録

本当のチームワーク(世界バレーから学ぶ)

4年に一度開催されている世界バレーは男女ともに全日程を終え、全日本女子は準々決勝でブラジルに2-3で惜しくも敗れ、最終順位5位となった。

全10試合、全日本女子は本当に素晴らしいバレーボールをしていて、その彼女たちの戦う姿から、「本当のチームワーク」とは何かを学んだ。

 

日本女子のバレーは、伝統的にではあるが今大会もサーブ、ディグ、レシーブ、繋ぎ(2本目)の精度が世界の中でピカイチであった。しかしそれ以上に、今大会はチームワークがよく、チーム全員で戦っている姿やチームとして強い日本というのが1番印象に残った。

なぜそう感じたのかというと、コートに入っている選手6人・そしてコート外の選手やスタッフの、数字には表れてこないような他の人のために動く思いやりの姿勢、献身的な姿勢があったからである。

 

具体的には、

①1.2本目の精度の高さ

②ブロックフォローへの姿勢

③チーム内の声かけ

である。

 

①について。

バレーボールはスポーツの中でも、次の人のため、チームのためを思いやる姿勢がとても必要なスポーツである。

なぜなら、バレーボールではプレー中にボールを掴んでパス等をすることができず、自分があげたボール・繋げたボールがダイレクトに次の人のプレーに影響を与えるからである。

例えば、自分の一本目のレシーブが乱れてしまったら、次に触る人はそのあまり良くないレシーブを次の人に繋げなければならない。逆に言えば、いいレシーブをあげれば、つぎの人はいいトスをあげやすくなり、アタッカーは良い状態でスパイクを打ち、得点することができ、チームの勝利につながっていく。

その意味で、日本女子選手たちは相手からの強いスパイク等を、できるだけ次の人がトスをあげやすいようにあげようとしていたし、2本目に触る人たちはアタッカーに少しでもいい状態で打てるように丁寧にトスを上げていた。

 

②について。

日本チームは平均身長が178cmほどで、世界各国のチームより背が低い。一方、ヨーロッパ等のチームでは190cm以上の選手が3.4人コートにいることも多々ある。

日本の選手からすると、スパイクを打つ時に自分たちより20cm近く背の高い相手がブロックに飛んでくるので、ブロックをされてしまう可能性は高い。そんな状況ではあるが、アタッカーがスパイクを打つときは全員でフォローに入っていた。ブロックされたとしても、絶対にコートには落とさず次に繋げよう。アタッカーを一人にせず、全員で点をとりに行っている姿勢があった。

 

③について。

テレビの中継を見ていて、試合中のコート上の声がすべて聞こえてるわけではないのだが、それでもラリー中などの声が聞こえてくることが多々あった。

セッター関選手が、アタッカーが打つ時に「頑張れ!」と声をかけていたり、石川選手が関選手がトスをあげる時に「いいよ!」と声をかけていたり(トスあげてきて!というサインだと思う)。プレーをしてる選手を一人にせず、全員で常にお互いに声をかけていた。

 

上記に挙げた動きは、数字に表れない動きがほとんどである。だが、選手一人一人の、相手やチームを思う声掛けや行動が、チームとして大きな力となり、個の力は世界相手に劣ったとしても、6人としてのチーム力は相手に優っていた。

 

彼女たちがみせた、チームのために相手のために動く姿勢、これこそが「本当のチームワーク」ではないだろうか。個々がただ自分の仕事をするのでは、本当のチームワークではない。そこにプラス、数字に現れないような、個々が相手を思いやり行動することこそが、本当のチームワークである。

 

私たちは仕事で複数人で仕事を行うことが多々ある。バレーボール選手たちよりも、各々能力や価値観が異なる人たちが一つの「チーム」として仕事をし成果を出すことは難しい。だからこそ、個々が相手を思いやり行動することこそが大切となる。世界バレーを戦いぬいた全日本女子バレーの選手、スタッフたちからそれを学ぶことができた。